龍神からオファーが来たのは、2014年9月のことです。
出雲での仕事の後、プライベートで
出雲大社で神職さんに案内していただき、特別に本殿近くでお参りできる機会がありました。
そこには、本殿のほかにも、3つのお社が並んでいます。
ひとつひとつお参りしていると、あるお社の前で足がピタッと止まり、
動けなくなってしまいました。
そのお社の中から、誰かが私をにらんでいます。
「あなた、どなた!? なんでそんなににらんではるの? こわいんやけど(汗)」という感じ。
でも、神職さんもいるし、なんとかこらえてお参りを終えると、
大杉がうれしそうに寄ってきて言いました。
「萌絵さん、ロックオンされてましたね。スセリ姫に!」
スセリ姫は、スサノオノミコトの娘で、オオクニヌシノミコトの正妻。
蛇(龍神)にゆかりがある神様です。
でも、スセリ姫と言われてもピンときません。
そんな私に、大杉は初めて、私が龍神と深く関わりがあること、
この人生で龍神のお手伝いをする流れになっていることなどを、くわしく話してくれました。
一通り話し終わると、大杉はこう言いました。
「萌絵さん、龍使い、やりませんか?」
当時の私は、すでに大杉の直霊リーディングを受けていたので、
直霊にタカオカミ(龍神の一種)がいて、龍神と御縁があることは知っていました。
また自分自身でも、すでに産土とのご縁繋ぎの講師を担当するようになっていて、
龍神や神様の世界への知識もかなり深まっていました。
けれど、龍神のお手伝いをする人生なんて、寝耳に水。
「龍使いって、なんやろ!?」と、戸惑いました。
でもなんだか面白そうです。迷わず「やります〜!」と答えました。
実は、私がパーソナル神主セッションを受けたときから、
大杉にはこの展開がわかっていたと言います。
でも、慎重な性格の大杉は、私にはずっと黙っていたのでした。
〜大杉の「無茶ぶり」に鍛えられ、龍使いへの道を歩む〜
この時から、龍使いになるための本格的な特訓が始まりました。
龍神とのコンタクトの取り方、龍神の呼び方、
神社にいらっしゃる神様の見分け方やコンタクト法、土地のエネルギーの感じ方……。
はっきり言います。
大杉の指導は、スパルタです。ほぼ「無茶ぶり」です。
たとえば、ある神社の池の前で、いきなり大杉が言います。
「萌絵さん、ここに龍神を呼んでください」
「呼べ」と言われたら、やるしかありません。やったことがなくても!
意識を合わせて、龍神を呼びます。
すると、池の水面が一部だけバシャバシャっと突然波立ち始めます。
それを見た大杉は、満足げに一言。「ほらね、呼べたじゃないですか」
また、龍神を呼ぶと急に風がザザザーッと吹き、
まわりの木がバーッと揺れ始めることもありました。
こんなふうに、2人で各地の神社や聖地を回りながら、
数々のトレーニングを重ねていきました。
同時進行で、神様の存在やレイヤーを感じ取る練習も積み、
次第に、神様の存在や場のエネルギーを自分で感じられるようになりました。
大杉と「答え合わせ」をしながら、
私は、自分の感覚が磨かれていくのを実感していきました。
「答え合わせ」のやり方を、少しご紹介しますね。
ある神社に行った時のこと、神聖な存在を感じて大杉に尋ねました。
「日香理さん、ここにどなたかいらっしゃいますよね」
こんな時、大杉はすぐに答えは言いません。
以下、2人の会話です。
大「確かに、いらっしゃいますね。どなただと思います?」
く「…名前までわかるかなぁ。(日香理さんみたいに神様の名前そんなに覚えてないし!)」
く「あ、○○ですか?(名前がわかったわ。ホッ)」
大「そうです。私たちの答えが一致しましたね。あと、○○もいらっしゃいますよ」
という具合です。
神社の境内では、こう聞かれることもよくありました。
「萌絵さん、あそこのレイヤーがわかりますか?」
「この場所は、どんなふうに見えますか?」
「あそことここのエネルギーの違い、感じますか?」
そのつど、感じたエネルギーや見えた光景を伝えます。
すると、「そうですね」「ちょっと違いますね。こんなふうには見えませんか?」などと
答えが返ってきました。
そうやって、神聖なエネルギーを感じ取る感性を少しずつ磨き、
また神様の世界について学び、
さまざまな講座やサービスを担当するようになっていったのです。
といっても、大杉は決して無理強いしません。
講師やヒーリングのサービスを始める時は、
私が納得して動き出すまで、待っていてくれます。(育てる時は、無茶ぶりやけど!)
だから、自分のペースで進み続け、
着実に結果を積み重ねてこられたのだと思います。
〜出雲で神様からもらった一言。私が神様に言った一言〜
大杉のスタンスは、そのまま神様のスタンスと同じです。
あ、といっても、神様もちょっと(いや、かなり!?)無茶ぶりすることもありますが…。
時間を少し巻き戻して、2014年2月の出雲神縁ツアー下見の旅のことをお話ししますね。
これは、現在のアテアの活動につながる大事なターニングポイントとなった旅でした。
まず、大杉と2人で出雲大社でお参りを済ませた後、
神様の声に従って日御碕神社を訪れました。
日御碕神社は、朱い社殿が美しい神社です。ここで濃密な御神気を感じながら参拝。
その後「次に訪れるべき神社は、出雲大社に引き返す途中にある」というメッセージを受けとり、
元来た道を戻ることに…。
しばらく行くと、助手席の大杉が車を止めるように言いました。
大杉の直霊が「ここに違いない」という場所を感じ取ったようです。
ただし、そこは山の上にある神社。車では行けません。
幸い駐車できる場所があり、そこに車を止めて山頂のお社までの道を歩き始めました。
といっても、そこは険しい崖を見下ろす急な上り坂。
決して楽な道ではありません。むしろ、危険と言ってもいい細道です。
でも、大杉と2人、もし危険だったら引き返そうという冷静さを保ちながら、
慎重に登っていきました。
ようやく辿りついた頂上には、小さな祠(ほこら)がひとつ。
疲れ切った私たちは、少しだけホッとし御挨拶を済ませました。
そこで、大杉が受けとったメッセージは、
「“ないもの”を“あるもの”にする感覚」というものだったそうです。
「これまで目に見えなかったものに目を向けていく」という力強いメッセージを受け取り、
私も大杉も、これからの自分たちが進むべき方向性を改めて認識したのでした。
でも、このメッセージを山頂で大杉から聞いた時、
正直な私は、思わずこう口走ってしまいました…。
「そんなの、下で教えて!!」
下りは、登りにも増して危険度&大変度アップ。
足を滑らせたらそのまま滑落する怖れのある道を、ひたすら注意深く降りていきました。
大杉によれば、この下山では「いつもは使っていない感性や筋肉を使うことで、
“普段はないことになっているもの”を使う感覚を身をもって体験させてもらった」とのこと。
ありがたいことではあります…。
でも、私は「神様は、ほんと無茶ぶりしはるわ〜」とつくづく感じたのでした。
これはほんの一例です。
神様を訪ねる旅では、辺境の地や大自然の中へ行くことも少なくありません。
大変なことももちろんありますが、その分、貴重な体験やメッセージを得て帰ってきます。
そこでいただいたエネルギーや恩恵を、1人でも多くの方に伝えられたら…。
それが、私たちの願いです。
つづく